第1回IMIAアジア医療通訳シンポジウムの報告

第1回IMIAアジア医療通訳シンポジウムの報告:

2014年11月9日、IMIA日本支部が東京外国語大学やNPO地域診療情報連携協議会と共催で開催した第1回IMIAアジアシンポジウム(本シンポジウム)には、
ヨーロッパ、米国、オーストラリア、中国、台湾、韓国や日本全国から実践者、医療従事者に加え、医療通訳教育を実施する大学や派遣団体などから約250名が参加した。

 

2020年のオリンピック・パラリンピック開催と国際医療推進に関心を抱く関係者が一堂に会する国際的なシンポジウムであった。

 

認定試験やプロフェショナル化というこれまで討議されなかったテーマで多様な関係者が情報交換し、活発な討議を繰り広げた事から日本における医療通訳の発展という視座にたち、
画期的なシンポジウムであったと言える。

マスコミにも大きく取り上げられた。

産経新聞、2014年11月9日

http://www.sankei.com/life/news/141109/lif1411090015-n2.html

The Japan Times20141114

http://www.japantimes.co.jp/news/2014/11/14/national/science-health/medical-interpreters-discuss-goal-for-2020-olympics/#.VL0FLmcfo5s

 

IMIAはすでに米国とカナダ他でCMI:CertifiedMedical Interpreterの国際的認定試験を、オンラインで、英語からスペイン語、北京語、広東語、韓国語、ベトナム語、ロシア語
で実施している。IMIA日本支部は、日本で日本語による試験開始を目指すことを発表した。


また、本シンポジウムでは、壇上で、手話通訳者が通訳した。学術的研究分野においても、実践現場においても、世界では、手話は言語の一つと認識されている。IMIAの枠組み
においても、手話通訳者は医療通訳者の仲間である。しかし、日本では、そうした認識は定着していない。それゆえ、医療通訳サービス対象者として、外国人と同様に、情報弱者である
聴覚障害者も含めるべきであるというメッセージを発信したことには、社会的意義があると考える。

 

参加者の大半がボランティア通訳者である従来のイベントと比較すると、本シンポジウムは、英語の会議通訳者、ビジネス通訳者、通訳案内士や医療翻訳者など、すでにプロフェッショナル
として活躍する人材や、通訳学校の受講生や大学で言語を先行する学生などが、多数派であった点が大きく違った。上海の通訳協会を始め、海外の実践者も情報交換のために参加した
点も違った。

 

さらに特筆に値するのは、分科会で、テーマごとに情報交換と討議が行われた点である。


分科会(1)では、実践者がつどい、米国、韓国、香港から招聘された講演者との間で文化障壁を始め、
現場の課題を討議した。

分科会(2)では、日本では実践されていない遠隔医療通訳コーリングセンター事業を台湾の輔仁大学との共同実践モデルとして紹介した。 オリンピック・パラリンピック開催時の実践を
視野に、台湾と日本を結んで遠隔医療通訳のデモンストレーションも行った。

分科会(3)では、滋賀県公立甲賀病院の事例報告の後、今後医療通訳システムを構築するための課題について、医師を中心として、熱のこもった議論が展開された。

 

本シンポジウムの開催を経て、IMIA日本支部は、医療通訳者のプロフェッショナル化と持続可能な医療通訳サービス構築を達成するには、本シンポジウムでの討議を実践に結び
つけることが、次のステップであると考えるに至った。そこで、2015年10月9日に東京で次のシンポジウムを計画している。詳細は、順次会員に通知し、HPにも掲載する予定である。


IMIA日本支部運営チーム一同